現在ネットショップモールで一二を争う楽天市場とアマゾン。
どちらも有名ですが、この2つのモールは大きく性質が異なっており、商品の売り方やお店の方針によって全く売れ方が変わります。
もしかしたら、Amazonと楽天市場の両方に出店してみて片方は売りにくい、店づくりがしにくいと感じていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では楽天市場とAmazonではどのような違いがあるのか紹介致します。
現在どちらかに出店されていて、2店舗目を検討している方にも有益な比較になると思います。
楽天市場の特徴
1997年から続く、今や老舗インターネットショッピングサイトの楽天市場。
Eコマース事業以外にも、楽天モバイル、楽天トラベル、楽天カード、楽天生命保険、RakutenTVなど、日本では「楽天」の単語を見ない日はないのではないかという程浸透しています。
出店者は1つの店舗を保有する形で運営、自由度が高い
楽天市場は出店者が1つのお店を構え、商品ページを自分で作成し運営するスタイルです。
日本ではこのタイプのECモールが昔から多くあり、Yahoo!ショッピングもこの形ですが、楽天市場の方が店舗レイアウトなどの自由度は高いです。
商品ページのレイアウトもオリジナルショップほどではないですが自由度が高く、上手に使えばオプション売りやLP(ランディングページ)からの訴求も同一URL内で自由に行えます。
ネックなのは老舗が故の迷宮システム
楽天市場は25年以上の歴史があり、時代とともにシステムのアップデートが行われて以前よりも使いやすくなったのですが、古いシステムを丸ごとやり替えるわけにはいかないようで、一部に古い設定画面が使われていることがあります。
また、メリットとして自由度が高いと故にデリットになるのが、設定項目が多く、アップデートによって追加されているので色んなページに各設定項目があり、迷子になりやすいということがあります。
今後もアップデートを重ねることでシステムは変わっていくと思いますが、慣れてしまえばこの辺りは使いこなせるようになります。
商品ページを作り込めるショップは楽天市場で売れる
1番の問題は売れるかどうかだと思います。
楽天市場に向いているショップは、取り扱っている商品に自信があり、商品ページをしっかりと作り込めるショップです。
当たり前といえば当たり前なんですが、型番商品で商品名と小さな写真を1枚載せて商品説明もない販売者さんも多々お見かけします。
スポットの人気商品などはそれでも売れるかもしれませんが、楽天市場の出品方法ではあまり良い方法ではありません。
楽天市場は商品よりも1つの店舗としてお客様から評価されるので、いかにショップのファンをつけるかが重要になってきます。
楽天市場の出店プラン
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
---|---|---|---|
月額出店料(税別) | 19,500円/月 年間一括払 | 50,000円/月 半年ごとの2回分割払 | 100,000円/月 半年ごとの2回分割払 |
システム利用料(税別) | 月間売上高の 3.5~7.0% | 月間売上高の 2.0~4.5% | 月間売上高の 2.0~4.5% |
登録可能商品数 | 5,000商品 | 20,000商品 | 無制限 |
月額出店料は他のECサイトよりも高額ですが、システム手数料は他よりも低めなので、商品を販売すればするだけ楽天市場での出店はコストダウンになります。
なによりも、下手に広告に手を出すより集客力が強いです。
楽天市場への出店方法
楽天市場への出店を検討されている方は、まずは資料請求を行ってください。
その後、出店担当者から連絡があり出店の流れやプランなどの提案があります。
よく言われるのが楽天市場への出店は法人化から1年以上経過した企業、個人事業者は他のECモールまたは実店舗で販売実績のあるショップという話ですが、ほとんど本当だと思ってください。
出店担当者は、わりとこの辺りは無視して「大丈夫です」と審査にかけるまで手続きしてくれるのですが、実際審査は別部署で行われるので営業に「大丈夫」と言われても通らない事があります。
ただ、上記をクリアして特に問題のない出店者であれば審査通過する可能性は高いので、出店時期については考慮しつつご検討ください。
Amazon.co.jpの特徴
Amazonの日本版サイトAmazon.co.jpは2000年に開業。
第三者が出品を行えるマーケットプレイスが始まったのは2002年ですが、この頃はまだアマゾンといえば書籍やCDのイメージが強く、マーケットプレイスもヤフオクや今で言うメルカリのような位置付けでした。
2010年の通常配送料無料化によって一気にユーザー数が増えていった印象です。
マーケットプレイスへの登録の月額料などの固定費も安いので、販売者も多く品揃えも豊富なのがウリですね。
商品ページはAmazonが一括管理
楽天市場と大きく異なるのは、1つの型番に対して商品ページは基本1つであり、同じ商品ページで複数の店舗が販売を行う形式です。
楽天市場や自社ECサイトなどの販売形式に慣れている方が最初に混乱するポイントでもあります。
出品者のページは一応ありますが、楽天市場ほど自由度は高くありません。
自社ブランド商品を持つ企業であれば別途フロントページを作成できるプランもありますが、それでも基本は型番1つに対し1ページの形式です。
Amazonは出品が簡単
Amazonマーケットプレイスに登録が完了し諸々の設定が終われば出品方法はとても簡単です。
商品のJANコードや書籍であればISBNで商品ページを検索し、出品するボタンを押して価格と数量とリードタイムを決めるだけ。
これだけで予め用意されている商品ページで販売が開始されます。
商品ページは他の販売者と共有するので、商品ページのトップに表示されるカートボタンは必ずしも自店になるとは限りません。
価格やリードタイム、販売者の評価などによってAmazonのアルゴリズムで決まります。
しかも、本家Amazon.co.jpが販売している事もあり、こうなるとなかなかカートが獲得できません。
このカート獲得率によってAmazonの売り上げは左右されます。
商品ページの説明文や画像は基本書き換えできない
型番商品であれば、基本的には商品の詳細説明文や商品写真も書き換えができません。
最初に登録を行った方の文章や、Amazonが用意した文章で表示されます。
このため、他のモールでSEO対策や購買意欲を掻き立てる文章を書いている運営者さんは、Amazonの単調でさっぱりとした商品説明にガッカリする方もいらっしゃいます。
特に商品のジャンルによってはサイズ表記の必要がない場合があり、ユーザーからはわかりにく商品ページになっている事もあります。
しかし、決まりは決まりなので、郷に入っては郷に従うという言葉にもあるように、諦めてAmazon形式で販売を行なってください。
Amazonでは人気商品を旬な時期に売る
上記の説明だと、楽天市場のようにショップを構えて販売しているECオーナーさんには、アマゾンは非常に売りにくく思えてしまいますが、Amazonは人気商品の単品量販に非常に優れています。
商品ページが同一であることから、ある程度販売実績のある商品ページへの出品が可能です。
新規で商品ページを作るよりもユーザーへの表示位置も良く、楽天市場などにはないメリットです。
特にAmazonが在庫切れを起こした人気商品は一気に売れていくので、配送サービスのFBA(フルフィルメント by Amazon)などを使いながらカートを獲得し、旬な時期に一気に売るスタイルには非常に向いています。
また、売上金が2週間に一度の間隔で他のモールよりも早めに入金されるので、キャッシュフローも良く短期決戦型に向いています。
Amazon出品者アカウントの作成方法
Amazonマーケットプレイスには2つのプランがあります。
小口出品の場合、商品1点を販売するごとに100円の手数料がかかります。
大口出品の場合、販売数にかかわらず、手数料は毎月4,900円(税抜)です。
このほか、どちらの形態でも商品1点を販売するごとに販売手数料がかかりますので、詳細は公式サイトをご確認ください。
自社ブランドを持っていない小売での登録の場合は、出品プランを選んでAmazon出品用アカウントの作成を行なってください。
アカウント作成にいくつか必要なものがあります。
- 行政機関発行の顔写真付きの身分証明書(例:パスポートや運転免許証等)
- 銀行またはクレジットカード会社より過去180日以内に発行された取引明細書
- ビジネス用のEメールアドレスまたは既存のAmazonアカウント
- 電話番号
- 有効なクレジットカード
- 銀行口座番号(Amazonから売上金を受け取る口座)
こちらは現行の必要リストですので、実際には公式サイトで詳細を確認してください。
楽天市場とAmazonでは売り方が全く異なるので、ショップのスタイルに合わせて出店を検討するか、両方出店する場合はモール毎に売り方を変えていくことをおすすめします。
ここでは大きな違いだけを列挙しているので、詳しい内容はそれぞれの公式サイトで資料請求や問い合わせを行なってください。